煮沸によるケア
読んで字のごとく煮沸消毒は熱による消毒で、ソフトコンタクトが日本に導入されてから利用されていた消毒方法です。
専用の煮沸消毒器にレンズケースごと乗せてスイッチを入れるだけなので、消毒の作業自体はさほど面倒なモノではありませんでしたが、それを毎日しなくてはならないという精神的な負担が面倒という印象を持たせていたのかもしれません。
ほとんどの微生物が死滅するため、一番確実な方法とも言われていますが、長期間に渡り煮沸消毒を行うとレンズに与えるダメージが大きく、レンズの変形や劣化が起こり、装用を続けることが困難になります。
また、ソフトコンタクトの代表的な汚れの一つ、タンパク質は熱により変性するため、アレルギー性結膜炎を発症することもあります。電源を必要とし専用の機器も必要になります。
現在は使い捨てコンタクトの台頭によりこの方法を推奨してる施設は皆無で、煮沸消毒の問題点を解決する方法として過酸化水素やMPSによる消毒方法が登場したと言えます。
手間暇もかからなくなり、今では「ソフトコンタクトのケアが面倒」という不満の声はほとんど耳にしなくなりました。またケア用品代金もOTCドラッグストアなどでかなり安価な価格で販売されていますので、手間暇と同時にコストも以前ほどかからなくなりました。
とはいっても、消毒不要で水道水ですすぎができるハードコンタクトと比較するとやはりハードコンタクトに分があると言わざるを得ません(笑)